はっさく。

しばらくお休みしておりましたが、そろそろと再開です。

先月の半ばくらいでしょうか。
熱海に行くちょっと前ですが、珍しくスーパーで美味しそうな紀州の八朔が並んでいて、一袋買いました。
これが瑞々しくて美味しくて、それからしばらく八朔を切らさず買っていました。
八朔ってそれまで自分で買ったこと無かったんです。
うちの実家の祖母がこれが好きで、毎日というか毎食のようにこれを剥いて食べていたんですが、子供の頃は八朔って苦みがあって皮も固くて手で剥けないし、普通のミカンや伊予かんの方が美味しいのに何でこれがいいのかなあと不思議に思っていたものです。

その苦みが逆に美味しいと感じるようになって、自分もそんな年になったのかしら?なんて不思議に思っていたのですが、その祖母が先日10日に95歳で他界しました。
桜がちょうど散り始めたところで、お通夜も告別式も晴れた日に花吹雪が綺麗で、「願わくば 花の下にて春死なむ その如月の望月の頃」の西行の句を思い出すような情景でした。

自宅で直前まで歩いていたそうですが、黒い物を吐いて倒れて意識不明のまま救急車で運ばれて、そのまま帰らぬ人となったそうです。
亡くなる前数日間は、しばらく胃腸の調子が悪かったそうで、あまり食べ物を受け付けず、好きだった八朔もいつの間にかあまり食べなくなっていたとのこと。

お通夜に実家に帰る途中でまた八朔と、それからこれも美味しかった文旦を買って、仏前に供えてきました。
しばらくはこちらでも八朔をお供えにして、お線香を炊こうかなと思います。