先先週から連続してモダン?コンテンポラリー?なダンスを観ています。モダンというけど、毛色は全く違って。三者三様。かといって分類するべき言葉もなし。。
比較的古いのがこちらですかね。戦前から続くモダンの流れ。
今年88歳の米寿公演だそうでおめでたいことです。
今言う「創作ダンス」の始まりはこの辺でしょうか。
モダンとかニュー○○とか名うったものには宿命的に、ある時間が減ると途端に逆に古びた印象が残るわけなんですが、今「モダン」「コンテンポラリー」バレエ、ダンスといわれるものの中で古びつつも一定の支持者を得て残ることが出来るのはごく僅かでしょう。
常に最先端を走っていなくては意味がないけど、最先端は大抵小さなハコでしか出来ないので、ある程度力を持って定着した「モダン」がこういう規模のステージをやるんでしょうね。
最初のソロの馬場ひかりさんは非常にシンプルで繊細で美しかったです。
できたら生の演奏で踊って欲しい。今後生演奏のソロがあったら是非観たいです。
ニュアンスに富んだ表現に録音の音楽が物足りなくてもったい無かったです。
土曜日はこちら↑。濃厚な黒沢美香さんの世界。
美香さんの演出をそんなにたくさん観ているわけではないのだけど、いつも生々しい新鮮な肉をどんっと目の前に置かれたような。。
コンテンポラリーの中でもディープな印象。
鮮やかで、生で、濃厚。そして何故かダンサーの脚が印象的で、、何故かいつも馬を連想するとか、ちょっとわけのわかんない感想でごめんなさい。
こちらは体型も動きも素人です、というダンサーズの方がたくさん踊っているんだけども、同じ素人なら上の公演の群舞より、こちらの扱いが楽しいかなと思う。
私的には楽しめるし、いろいろインスピレーションも湧く舞台なのだけど、じゃあ、OLさんの友人を誘って行くかというと、、うーん正直ちょっとマニアックで難しいところかなあ。
というわけで今回も一人で行きました。
ちょっとどしっとした体型ののダンサーさんが多いのも嬉しいところ。
ここのチラシや美術は毎回ねっとりしていて好きです。HPから拝借。
先日も書きましたが、友人のけやきネッコちゃんの公演。
こうしてみると比較的コンテンポラリーの中でも人に紹介しやすいか?
専門的に訓練されたダンサーの動きと、自己主張しつつ調和する舞台と、毎回何かしら新しさ。
この公演ではこうしてダンサーの似顔も描けるし、それぞれの特長も分かるけど、上の二つの公演ではダンサーをかきわけるのは無理。
それは人数的な違いもあるけど、どちらかというと演出と出演者の違いだと思う。
それぞれの公演で出演者の扱われ方は全く違っていて、異なる社会形態を観ているようで面白い。
芙二三枝子さんの演出だと、ダンサーはトップダンサー以外はほぼクラシックでいうコールドバレエ。
大体揃っていて、衣装もごく揃った感じ。
動きの質は違うけど、そのシステムはモダンになっても全く変わらず。
黒沢美香さんの公演では、ダンサーはそれぞれ個性的で、年齢も体型もばらばらだけど、ひとりひとりは抽象的な肉体の記号として存在していて、舞台はコンポジションのように展開する。もし舞台を絵にするなら、人の顔は判別が付かない程度で、造形的な面白さや色彩的な要素が前面に出ると思う。
またかなり勝手に想像させてもらうと、ネッコちゃんに馬場ひかりさんの振りを踊ってもらうと、実はビジュアル的には素晴らしいと思う。ちょっと東洋的なバリやインドネシアの舞踊みたいな舞踊の要素が入った踊りや衣装に彼女の顔はぴったりなんだよねえ。。
多分ひとつだけ観ても気付かない所が今回はたまたま3つが並んだので、ちょっと違う楽しみ方をさせてもらいました。お誘いただいた皆様ありがとう。