安田靫彦展。竹橋 国立近代美術館

安田靫彦展 竹橋 近代美術館

安田靫彦展、行って来ました。

その前の恩地孝四郎を見逃したのですが、今回もぎりぎりです。
夜間開館を週2日にして欲しいなあ。

安田靫彦、好きなのですが、大きな回顧展は初めてみるかもです。
大きな展示ならではのよさですが、画家の一生分を大きな流れで観る事が出来ます。

今回何かと驚いたのが、作家の制作年でした。
最初に度肝を抜かれるのが、15歳の作品から始まっていること。
そしてそれが初々しいながら、かなりな完成度で、安田靫彦は生涯さほど大きなスタイルの変遷がありません。
同じ道を、どんどん洗練させて磨いていった人だと思います。
線も色も簡略になり、濁りがなくなって発色するので、むしろ晩年が一番華やかな色彩。
50代でひとつ鮮やかになり、70代以降でさらに華やかさを増す。
そして最晩年までほとんど線が衰えない。少々柔らかくなったのもむしろ丁度良い感じ。
若い頃の作品は、やはり細い線ならではのもろさも感じるのですが、晩年は細いながら豊かなふくらみを感じます。

書をもう少し見たかったですが、今回はあまり見られず。そこは少し残念。