龍の話。

今年も干支のものを、ということで龍をたくさん描きました。
私の描くのは比較的若くて少し可愛いかな。
龍は神様のような神秘的なものだけど、どこかおどけたような、ひょうきんなところがなくてはいけないと大学の先生がおっしゃっていたのが記憶の片隅にあって、それを思い出しつつ描きます。(自分の絵の評ではなかったので、少し記憶が薄いです)
描く前は、どこから描いたものかと途方にくれるようなとらえどころのないモチーフですが、何かしら描き出すと現れてくる、というさすがは霊獣だなと毎回思います。
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龍の絵というので、思い出す絵は雪村なのですが、頭の上に仙人を載せた絵が有名です。
↓こちらで絵が見られます。
呂洞賓

呂洞賓、呂祖というのは道教では神様として奉られている人物。
龍に乗る仙人の図を雪村は何枚か残しています。
で、この呂祖もいつか描きたいと思っているのですが、仙人って、あまり馴染みがないので、すぐには描けません。
それで雪村の絵をいくつか眺めていると、前述の絵もそうですが、不思議な角度から捉えられています。
後方ななめ上から見下ろしたところとか。。普通描かないなと思う。

で、龍を描いていて、ああそうか、と思ったのは、雪村は呂祖と龍を同じ捉え方で描こうとしているんですね。かっと目を見開いて、口から気を吐きだすような呂祖の顔は龍に良くにていて、龍そのものになってしまいそうな人物として描かれています。
多分龍に乗る、というのは自らも龍になり、龍の一部になって一体化するという発想なんでしょうね。
だから龍にのる呂祖はすでに人間ではなく、龍そのものの化身として描かれているのかな。と思い至りました。
意外に描きたいと思って初めてわかることってあるものです。
が、まだ呂祖を描くのは先のことになりそうですね。。