ライブビューイングでオペラ。

オリー伯爵
(画像は松竹のサイトからお借りしました)

生で観たいところですが、なかなか観られる機会もないオペラ。
魅力的なビジュアルに惹かれてMETのライブビューイングでちょっとマイナーな演目の再演を観にいって来ました。
ロッシーニのコメディオペラ「オリー伯爵」

初めてみるMETライブビューイングですが、良く工夫されていて、客席のどよめきや臨場感もあり、裏舞台の解説もありで、映像は映像なりに面白く仕上げてあるのはさすが。
先月観たナショナル・シアター(イギリス)ライブビューイングの「アマデウス」もとても面白かったのですが、客席の反応も無く、映像としては少し距離を感じてじれったい感じがしたので、METライブの映像はさすがに分かりやすく出来ているのはお国柄でしょうか。

歌手の皆さんも演技力抜群で顔芸もばっちり見えて、日本人にはくどいくらいなので、字幕無しでも大体わかるくらいのわかりやすさです。
オリー伯爵のフローレスがいかにも女好きの伊達男を演じていて、くねくねの女装もちょっと可愛くて笑えます。
コンテッサのダムラウはさすがのコロラトゥーラで、圧倒的。軽快なコメディのノリも可愛らしい。
この二人に挟まれる美少年役のディドナード(メゾソプラノが男装)も息があっていて、裏舞台の女性二人のきゃっきゃうふふした百合具合がまた可愛いのです。
主役三人の脇で少し抑え気味のラゴンド夫人はメゾソプラノと書いてありましたが、アルトかと思いました。どちらも歌える人みたいです。
ディドナードよりずっしりとした影のある不思議な声でダムラウと陰陽になって面白いです。

オケも良くて、簡素に見せているけど質感のある舞台美術も好きです。
衣装も凝っていて、中世の要素がところどころに。
最初に病気のダムラウが深い紫の衣装で登場して、室内着はやわらかいベージュピンク、最後は情熱的になって鮮やかなフューシャピンクになるのも分かりやすく、お付きの侍女たちもそれぞれにヘッドドレスから凝っています。これを作るのは楽しそう!

何しろ相当に豪華な舞台でありました。
これが作れる財力のあるシアターが世界にいくつあるでしょう。
いつか生で観たい・・。