ホックニー展。

ホックニー展

東京都現代美術館のデイヴィッド・ホックニー展に行ってきました。
夏からずっと行きたかったのですが、暑いやら忙しいやらで夏が終わり、ようやく今観に行けました。
図録も買いました。派手可愛い・・。
色鮮やかなデジタル作品も多かったので、グッズを作るのは楽しいだろうなーと思います。ショップが充実していました。

ホックニー展

最近のデジタル作品の部屋は写真可です。
ホックニーというと私くらいの世代は美術の教科書にプールの絵やポートレートシリーズが載っていたかな?という感じなのですが、御年86歳。
世界的巨匠ですね。
プールの頃の少し尖った絵も好きでしたが、今回展示で一番楽しかったのは上の絵ハガキの赤いホテルシリーズや、風景ですね。
ちょっと目が迷うような多重視点の構図に鮮やかな色彩。

ホックニー展

その流れをそのままipadでの制作に移行したようです。
スクリーンの色はさらに鮮やかになり、タッチは脳に直結した迷いのなさ。
80代にしてこんな楽しい画境に至った人生は素晴らしいですね。

ホックニー展

デジタルの線はやはりそれ以前のリトグラフの線の繊細さはないのですが、手の絵画から目・脳の絵画に至った感じでしょうか。
溢れる命の賛歌が聞こえるようです。

ホックニー展

幸せな気分になれる展示でした。
11/5まで。

METライブビューイング。ワルキューレ。

ワルキューレ

しばらくブログから遠ざかってました^^
急に涼しくなった・・と思ったけど、良く考えてみたらこれくらいが普通の5月なんでした。

ライブビューイングですが、観たかったMETのワルキューレ。行って来ました。
初ワーグナー・・かと思ったら、そういえば前にタンホイザーを聴きました。
N響だったかな。ゲスト歌手を呼んだ演奏会形式でしたが。

ワーグナーだとこう、とことんお金をかけた舞台で、豪華に観たい、というのは常にありますが、なかなか日本の劇場で出来ることではないので、ライブビューイングとはいえMETの演出なら見ようと昨年から楽しみにしておりました。

なんといっても写真のマシンが凄い。
(写真は公式から失礼してお借りしました。リンクしておきます。)
動くんですよねー。解説によるとアイスランドの地殻変動にインスピレーションを受けたそうで。
確かにシンプルながらダイナミックに変動する装置で天地創造と神々の世界観を表現していました。
シンプルなんだけど、最新技術でもあり、プロジェクションマッピングも違和感無く、
映像を使った舞台ってどうも二次元と三次元の間に違和感があって苦手なんですが、
これはマシンの圧倒的な現実感と重力で映像が気にならないレベルに融合してました。
映像も立体の動きに合わせて変化するのです。
途中、羽ばたく鳥のようだったり、滝のようだったり、氷山になったり、変幻自在です。

そして歌い手のレベルが凄い。
男女ともにスターが3人。
きらきらしく、若々しいキャピキャピしたグリュンヒルデに、情熱的でしっとりしたジークリンデに、高圧的だけど気品あるフリッカ。
男声もまっすぐ純粋な英雄ジークムントに、悪役っぽさがいい味のフンディングに、多彩で複雑な演技力のヴォータンと、全てのレベルがバランスよく揃わないと出来ない舞台でした。
なんせ神様の声だから圧倒的に強くて輝かしくて、恐ろしくなくてはいけなくて、しかも妙に人間くさくていろいろやらかしてる神様なものだから、人間以上に激しい感情が交錯していて、厄介です。

個人的にはそんな人間味満載ヴォータン役のグリア・グリムスリーの多芸な感じ、好きなんですが、今回の主役はやはりブリュンヒルデのC・ガーキーかなあ。
ソプラノがこんなにキラキラして瑞々しい時期はどのくらいなのか、まさに旬の歌声でした。
ワルキューレがこんなうら若い乙女達だったとは知らなかった。
さらに英雄がこんなすぐに死んじゃうとか、もう少し設定勉強してから行くんでした。

神族の父娘が三幕で和解して、壮大な親子喧嘩が終わり、観客はほっと胸をなでおろすわけですが、一方壮大ではた迷惑な夫婦喧嘩はまだまだ続いているようだし、いよいよジークフリートが登場する続きも気になります。

オケもそれだけでじっくり聴きたいくらいで、なんだかもったいないくらい。
舞台の迫力が凄いだけに、ライブビューイングなのがもどかしいです。

METワルキューレ
指揮:フィリップ・ジョルダン 演出:ロベール・ルパージュ
ブリュンヒルデ:クリスティーン・ガーキー(ソプラノ)
ジークリンデ:エヴァ=マリア・ヴェストブルック(ソプラノ)
フリッカ:ジェイミー・バートン(メゾソプラノ)
ジークムント:スチュアート・スケルトン(テノール)
ヴォータン:グリア・グリムスリー(バスバリトン)
フンディング:ギュンター・グロイスベック(バス)

春の着物でお出かけ。

春色 紬

異様に多忙だった年度末が過ぎて、ようやく一息と思った4月はあっという間にGWに差し掛かっております。。
今年は展示もあるので、連休に頑張る・・予定です。

いろいろイベントもあるのですが、なかなか伺えないところが多くて失礼しております。
先々週末と、先週末に久々の友人のシャンソンライブというのでお出かけしました。
たまには着物も着ないと衰えるのです(筋肉とか技とか)。

最近は歌を聴く機会も少ないですが、友達の頑張りを見るのは何とも心強いことです。

ドレスコードがサムシングピンクorグリーン、ってことだったので、緑系と桃系中心に。
前にも着たコーディネートですが、帯周りはピンク系で。

この着物、洗い張りにだしたら縮んでしまって、間に足し布してもらいました。
おはしょりの部分にぎりぎり隠れるのですが、少し体型変わったり、着付けの癖が変わると危険だと再確認。
ぎりぎり隠しました^ ^;

ぎりぎり丈なので、帰ってきてから裾と袖の摺れと汚れ防止にガロンレースを縫い付けました。
面倒だけど楽しいちくちく作業です。

富山にて。

富山 環水公園

お仕事があって、北陸新幹線で富山に行ってきました^^
北陸新幹線、速いです。半分くらいトンネルの中な気がしますが、トンネル抜けると雪景色。
立山も綺麗に見えて、旅行気分満喫。
写真は仕事の後に散歩した駅近くのカナルパーク。

富山 環水公園

景観世界一のスターバックスというのがあります。入ってないけど。
月が明るくて、かすかに立山も見えています。

富山 環水公園

日のあるうちに来たのですが、美術館に急いでいたので帰りの夜景のみです。夜景も空気が澄んでいて綺麗です。

三沢厚彦展

カナルパークの先に、新しい県立美術館があります。
関東での展示を見逃し続けた、三沢厚彦展へ。ここで見られるとは思わなかった。
かなり大規模な展示で、旧作から新作まで並んでいて見ごたえありました!

三沢厚彦展

写真OKのスペースがかなりあったのですが、カメラをロッカーに入れてきてしまったので、小さい写真のみです。
堪能したので良いのです。

三沢厚彦展

隈研吾設計の、図書館&ガラス美術館にも行きたかったのですが、今回は時間的に見送り。
次回の楽しみに。
そういえば美味しいと言う噂の駅前のますの寿司も売り切れで、小鯛しか買えなかったのですが、これも次回の楽しみに。
小鯛もとても美味しかったですけどね。

見所も多くて、美味しいものも多くて、何しろ水がいいですね。
ホテルの水がモンドセレクションってなんじゃそりゃと思ったのですが、確かに美味しいのです。
今度はゆっくり観光で来たい所です。

ライブビューイングでオペラ。

オリー伯爵
(画像は松竹のサイトからお借りしました)

生で観たいところですが、なかなか観られる機会もないオペラ。
魅力的なビジュアルに惹かれてMETのライブビューイングでちょっとマイナーな演目の再演を観にいって来ました。
ロッシーニのコメディオペラ「オリー伯爵」

初めてみるMETライブビューイングですが、良く工夫されていて、客席のどよめきや臨場感もあり、裏舞台の解説もありで、映像は映像なりに面白く仕上げてあるのはさすが。
先月観たナショナル・シアター(イギリス)ライブビューイングの「アマデウス」もとても面白かったのですが、客席の反応も無く、映像としては少し距離を感じてじれったい感じがしたので、METライブの映像はさすがに分かりやすく出来ているのはお国柄でしょうか。

歌手の皆さんも演技力抜群で顔芸もばっちり見えて、日本人にはくどいくらいなので、字幕無しでも大体わかるくらいのわかりやすさです。
オリー伯爵のフローレスがいかにも女好きの伊達男を演じていて、くねくねの女装もちょっと可愛くて笑えます。
コンテッサのダムラウはさすがのコロラトゥーラで、圧倒的。軽快なコメディのノリも可愛らしい。
この二人に挟まれる美少年役のディドナード(メゾソプラノが男装)も息があっていて、裏舞台の女性二人のきゃっきゃうふふした百合具合がまた可愛いのです。
主役三人の脇で少し抑え気味のラゴンド夫人はメゾソプラノと書いてありましたが、アルトかと思いました。どちらも歌える人みたいです。
ディドナードよりずっしりとした影のある不思議な声でダムラウと陰陽になって面白いです。

オケも良くて、簡素に見せているけど質感のある舞台美術も好きです。
衣装も凝っていて、中世の要素がところどころに。
最初に病気のダムラウが深い紫の衣装で登場して、室内着はやわらかいベージュピンク、最後は情熱的になって鮮やかなフューシャピンクになるのも分かりやすく、お付きの侍女たちもそれぞれにヘッドドレスから凝っています。これを作るのは楽しそう!

何しろ相当に豪華な舞台でありました。
これが作れる財力のあるシアターが世界にいくつあるでしょう。
いつか生で観たい・・。

小澤真智子 ヴァイオリンリサイタル

小澤真智子 ヴァイオリンコンサート フライヤー

北鎌倉のあと大船の鎌倉芸術館で、小澤真智子さんのヴァイオリンリサイタルを聴いてきました。
こちらのチラシを作らせていただいた公演です。

今回はパーカッションが入って楽しさ倍増。
前半はピアノとヴァイオリン、後半はトリオでの演奏でしたが、前半後半でかなり雰囲気の違うコンサートでした。

前半はじっくり弾き込んだレパートリーで、今回発売のCDタイトルにもなっているオブリビオンはこれまで以上に情感たっぷりで、繊細な表現も聴き応えがありました。
こんな曲だったのかと、ちょっと新鮮な感動があり、いいですね。
CDにはオクターヴィオ版のオブリビオンと、新録音のミ・オブリビオンが両方収録されていて、これから聴くのが楽しみです。
オクターヴィオさんの独特の土っぽさとか、キレのいいリズムが亡くなったのは本当に残念ですが、新しいオブリビオンにも期待したいと思います。

小澤真智子 ヴァイオリンコンサート フライヤー

後半はブラジル生まれのジョカさんのパーカッションが加わったことで、より南米らしくなって、ライブ感も増しました。
自作の曲も多かったので、アドリブ感も増してスリリング。その場でしか味わえない音楽のよさがあったと思います。

今回は鎌倉の友人とも久しぶりに会えて、楽しい一日となりました。感謝。

Dr.本間邸 ローズガーデンコンサート。

本間邸ローズガーデン サロンコンサート

今年も千葉あすみヶ丘ワンハンドレッドヒルズのローズコンサートに行ってきました。
尾見林太郎&城戸春子 ピアノとチェロのジョイントコンサートです。

尾見さんのプログラムはリハーサルも聴いていたので頭に入ってましたが、ピアノの音がとっても綺麗に伸びて、良かったです。
前はこのベヒシュタイン、弾きにくそう~だったのが、随分仲よくなったものです^^

ショパンのポロネーズ第3番「軍隊」
これは前座の一曲って感じですが、誰でも知っている曲はやはり必須ですね。
なんか少年っぽい?行儀良く、きりりピシっとした素直な音でした。

シューマン「アラベスクop.18」
アンニュイな音色の一曲。スモーキーでちょっと甘い、ババロアみたいな色が繰り返し繰り返しの模様になって、このまま終わるのかと思いきや、最後の1節で魔法がかかったみたいに全部がきらきらして、おしまい。
ずるいですねーシューマン。

ヘンデル「シャコンヌ」
この曲好きなんです。華やかで明くて、バッハ=ブゾーニのシャコンヌとは本当に対照的です。
白と金の装飾過多な宮殿と、古風な響き、たくさんの人が歌っているような旋律の重なりにどきどきします。
サロンなので、少し抑えめの演奏でしたが、大きなホールで聴きたいですね。

ブラームス「ピアノソナタ第3番 ヘ短調 op.5より終楽章」
楽譜を覗くとなんじゃこりゃ、というような和音の連続で、オーケストラのような重厚感。
途中ベートーヴェンか?と思う箇所が何度かありつつ、豪華なエンディング。
若いのに地味派手なブラームス・・。これもベーゼンドルファーで聴きたい一曲。

城戸さん(チェロ)&上仲さん(ピアノ)のデュオも名曲揃いで、楽しく聴けました。
最後の2曲、フランクのヴァイオリンソナタとショパンの「華麗なる大ポロネーズ」はピアノの出番も多くて、デュオの楽しさを存分に味わえるプログラムでした。
やはりピアノソロは聴き手も緊張感があるけど、デュオだとゆったりして盛り上がりも華やか。
2つを合わせて聴くのもいい組み合わせだと思います。

本間邸ローズガーデン サロンコンサート

薔薇は見ての通りの満開。満開ピークをわずかに通りすぎたあたりかな・・。
今年は本当にいろんな花の開花が早まっているので、大変です。
オールドローズ系や、ノバラのようなミニローズが綺麗に咲いていました。

本間邸ローズガーデン サロンコンサート

ストロベリー&クリームって感じです。
気温は高かったのですが、まだ爽やかさがあって助かりました。
あまりスケッチをする時間が取れなかったのですが、なんとか1枚。そういえば昨年も忙しくてあまり時間が取れなかった・・。
でも1枚日本画に出来たので、今回のも何とかなるかな。

本間邸ローズガーデン サロンコンサート

興福寺の寺宝と畠中光享展

興福寺の寺宝と畠中光享展

先日柴田悦子画廊さんで拝見した祖師画が良かったので、横浜の展覧会、行ってきました。
本当は先週行きたかったのだけど、丁度仕事が詰まっていたので。。

畠中先生の絵は、女性を描いたものより、男性を描いたものが好きです。
中でもやはり今回の祖師画シリーズが良かったです。
色と線の美しさが際立っていて、これは興福寺にも先生にも良いめぐり合わせだったんだなーと。
1000年残るものを、って凄いプレッシャーですね。。

せっかく横浜まで出たので、友達とお茶してまったりして帰りました。
若干腕が腱鞘炎っぽいので、休み休みやっております~。

薔薇の季節。

ローズガーデン

今年も早くも薔薇の季節ですねー。
毎年恒例の、千葉遠征。
Dr.本間のローズガーデンコンサートに行ってきました。

・・が、今回は仕事が山積みだったため、スケッチを1枚軽く描いただけで帰ってきました。
写真もなくて済みません・・。

薔薇は超満開でした。
急に温度が上がったようで、いつも最初の頃に咲く小さなつる薔薇から、時期の遅いオールドローズまで、ほとんどの花が咲いていたのではないでしょうか。
あたり一帯が薔薇の香りでいっぱいでした。

尾見さんのピアノは、リハーサルで聴いていましたが、
スカルラッティのソナタ、バッハの平均律第二巻、バルトークのルーマニア舞曲、
最後がブラームスのラプソディーとインテルメッツォ。

個性的な曲が揃って、あちこち旅をしているような。
古典派は格調高く、バルトークはひねりが効いて遊びがあって、ブラームスは出来たらベーゼンでもう一度聴きたいですね。
ブラームス独特のうねるような暖かさや甘い感じがベヒシュタインだとちょっと物足りないかな。

城戸さんのチェロはピアノの方と息がぴったりで、ベートーヴェンのチェロソナタは本当にピアノとチェロが一体になっていました。
芸大の同級生だということですが、長い時間が経ってもこうして一緒に演奏が出来るのは音大生ならではでいいですね^^

絵描き同士もまあ、展示を一緒にすることはありますが、一緒に描くわけではないですからね^^;

春色の更紗帯でお出かけ。

小紋に春色更紗帯。

土曜日のコーディネート。
散り際の桜の帯を、と思っていたのだけど、朝起きたら強い風で桜の花びらが降り積もっていて、さすがにこれは時既に遅しだわ、と諦めました。
桜の帯は出し損ねて、今日は虫干ししております。

そんなわけで、せめて春らしい色と思って選んだピンクの手書き更紗帯です。
へろっと描いた線がお気に入り。
帯に合わせて気安いのり散らし模様の小紋。

小紋に春色更紗帯。

で、朝から母と着物やさんのセールにお付き合い。
帰りに銀座の画廊に寄らせてもらいました。

煉瓦画廊さんの後、柴田悦子画廊さんに寄ったら、丁度畠中先生の展示で、正面の絵(祖師画)、間近で観られて良かったです。
大きな手が動き出しそうでした。
興福寺の再建事業のためにかかれたものだそうで、実際に興福寺中金堂に納められる絵は高島屋で大きな展示があったそうです。
日本橋の展示は見逃したので、横浜展に行こうかなと思います。
興福寺の寺宝と畠中光享展 | 高島屋

お話していたら、そのうちに中野先生にばったり。
先輩も加わって一気に多摩美濃度が上がり、すっかりまた学生気分であれこれ講義を拝聴して帰りました。

この日も帯付で汗ばむくらいでしたが、今日の暑さは異常でしたね。
今日だったらもう単衣でないと汗だくになってしまいます。
急に単衣の季節が迫ったのを感じる一日でしたー。